いよいよ遺伝子治療の時代!?

遺伝子を体の中に入れて病気を治す
「遺伝子治療薬」が
いよいよ日本でも現実味を増してきた。

スイス本社の医薬品メーカー
「ノバルティス」は、
神経難病の遺伝子治療薬を
来年2019年にも発売予定。
一方、大阪大学発のスタートアップ企業
アンジェスは、足の血管が詰まる病気の
遺伝子治療薬を2019年前半に売り出す。

海外に比べ、国の許認可などの制度で
遅れを取っていたが、
治療法に行き詰まっていた患者さん達に
やっと一筋の光明が差してきた。

遺伝子治療薬は、たんぱく質の設計図である
遺伝子をウイルスに乗せるなどして
体内に入れる治療法。
筋肉や血液などに異常のある患者さんの
遺伝子を補う仕組みで、
治療法の少ない難病を治せる可能性が
期待されている。
iPS細胞で臓器をよみがえらせる再生医療と
同じく最先端技術で、
調査会社シード・プランニングによると、
2025年には日米欧で
1兆円もの巨大市場が生まれるという。

ノバルティスは、脊髄性筋萎縮症(SMA)と
呼ぶ病気の遺伝子治療薬について、
発売に必要な承認を得る手続きを
日本でも始めた。
2019年中にも発売予定だ。
SMA患者は筋肉を動かす
たんぱく質が不足し、
寝たきりのまま乳幼児の頃に
ほとんどの患者さんが亡くなるが、
なんと、今回の薬の海外治験では、
参加した患者さんの生存率は100%。
「全員に効いた」という
治験結果でもなかなか見ることがない
素晴らし過ぎる結果だ!
そう遠くない将来には、
筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの
他の難病治療にも応用する予定だという。

アンジェスは今年1月に
既に承認申請を行っており、
国内初の遺伝子治療薬として
承認されそうで、大きな話題を集めそうだ。

ファイザーは2019年春までに
血が固まりにくくなる血友病の
遺伝子治療薬の臨床試験を国内で始める。
現在の標準的な治療では
1週間ごとの投薬が必要だが、
ファイザーの遺伝子治療薬は
「たった1回の注射だけで治療が終わる」
というまさに夢のような薬だ。

(遅まきながら感は拭いきれないが、)
このように国内で開発が
急速に進み始めた理由の一つに、
政府によるサポート体制が
整ってきたことがある。
治療用の遺伝子を
簡単に扱えるよう制度を変えたり、
経済産業省などが治験の体制整備に
手厚く予算を配分したりと、
遺伝子治療薬の研究と開発を
加速させる取り組みが広がっている。

一方、最近の画期的な新薬では
よく聞く話だが、遺伝子治療薬においても、
「高すぎる薬価」という事実は
目の前に直面する大きな課題になりそうだ。
ノバルティスのSMA治療薬は、アメリカでは
約5億円にもなると噂されている。
日本では処方薬の値段は政府が決めていて、
既に世に出ている治療法(薬)との比較や
研究開発コストを勘案して決められる。

今の流れで行くと、
今後開発される優れた薬は
ますます高い価格になっていくのだろう。
ただ、世界でも屈指のやり方と言われる
国民皆保険制度で薬代を支払っている
日本の場合、新たな効き目を持つ新薬が
どんどん高くなっていく現状を
手放しで歓迎することは難しいだろう。

少し前に話題になった、
末期のがん患者を劇的に回復させる
がん免疫薬「オプジーボ」も
当初は年間3000万円以上かかるとされ、
高額薬に対する賛否両論が
激しく交わされた。
もしかすると、近い将来日本でも、
少しずつ治療費の自己負担割合が
増えていき、ついにはアメリカのように
「富裕層が受けられる治療」と
「一般家庭が受けられる治療」に
大きな差が出てくるの可能性もある。
そんな時代のために、
私たちは確かな情報と幾ばくかの余裕資金を
手にしておく必要がありそうだ。

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